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音楽評論家 平山雄一の『倶知安ね、食っちゃね』

プロフィール


音楽評論家平山雄一による【JUNK! JUNK! JUNK!
∞ 2010】の期待を語るブログ。



【感動の夕空】昔キャラ雄一
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そんなこんなで7/26は移動の都合上、空路で帰るため、結局、福岡へゴー!!。
着いたら、雨は上がって少し日も差してる。それでも会場の海の中道周辺の道路状況は悪いようで、中止は仕方なし。残念。被害のあった地域の復旧を祈ります。ユニの夏勤労を楽しみにしていた人が多かったと思うので、できればリベンジできるといいなあ。


というところで、7/25セットストック・ダブルヘッダー第二回戦のレポ。

ユニコーンの前にイースト・ステージで演奏したTHE BOOMとの再会をバックステージで喜び合うメンバーたちの姿は、観ている昔キャラ雄一まで嬉しくなるほど。以前は夏のロック・イベント・サーキットをともに回ったバンド同士だけに、また同じステージでライヴできる歓びはひとしおだろう。それにしても、この日のTHE BOOMのラスト・ナンバー「島唄」のスケールの大きさは圧巻。特にリズム・セクションの確かさは、今年20周年を迎えたバンドのテンションの高さを示して有り余るものだった。

三浦さんが早速、たぶん18年ぶりとなる2バンド・ショットを撮影。後ろに森が広がる前に並んだ旧知の9人も、みんな嬉しそうだ。


出演直前、夏勤労制服を着用した5人は、ストレッチしたり、バーベキューを食べたり、それぞれ野外フェスを楽しんでいる。

おや? 三浦さんのコスチュームもメンバーとお揃いだあ。還暦ということで、背中に60の文字が入った真っ赤なツナギ。似合ってるじゃん。いつもユニコーンを“如意棒カメラ”で撮ってくれている三浦さんに感謝を込めて、スタッフがこの日のためにプレゼントしたもの。今日はこのかっこうで三浦さんはユニ初野外フェスの撮影に臨む。

さあ、準備OK。
蝉が鳴いてます。牛も鳴いてます。カラスが鳴きました。ユニコーンのご当地フェス登場だあ。

今日のトリを待っていたファンが歓声を上げる。


雄一の隣には、2人のお子さんを連れた勤労夫婦がいる。お母さんがひとりを抱っこして、お兄ちゃんは柵につかまっている。お父さんは後ろで3人を見守っている。「夏勤労、お疲れさまっす」と声を掛けたくなるハッピーな光景だ。

ユニがステージに姿を現わした。

夕焼にはならないものの、雨の心配はまったくない。雨上がりの夕空に雲が浮かんで、その前に5人。野外フェスでは、夕暮れのライヴがいちばん美しい。そんなビューチフルなシチュエーションで、今日はどんな歌が聴けるのだろう。


阿部くんのオルガンが響く。EBIくんは客席に背を向けて、大きくうねる壮大なオルガンを聴きながらベースを構えている。かわにっさんは叩き始めるタイミングを計って、身体を動かしながらリズムを取っている。てっしーは足を開いてステージを踏みしめるいつもの立ち姿。さっきひとり勤労を済ませたばかりのOTは、どんな気持ちでこのユニのステージに立っているのだろう。

ギターを弾きながら、ワンコーラス目をじっくり歌いこむOT。終わって「ヒロシマー!!」と鋭い雄たけびをOTが上げると、それまで聴き入っていた客席は我に返ったように両手を挙げて応える。OTのギター・ソロがすさまじい気迫だ。終わって歌につなぐかわにっさんのドラムのフィルがこれまた鋭い。てっしーのギターのアルペジオのスケールがアップしている。

続いて、オトコギ丸出しのあの懐かしナンバー。野外のビッグ・ステージにここまでやや手探りな面もあったが、この曲で夏ユニは完璧に仕上がった。

EBIくんをはじめ、リズムのドライヴ感が本当に気持ちいい。そんな5人を写そうと、赤い還暦カメラマンの如意棒カメラがにょっきりステージ背後に現われる。きっと三浦さんにしか撮れないいいショットが生まれているに違いない。

そんな感慨にふけっていると、一転してEBIくんがワンワン吠える。あははは、これだかユニ勤労は止められない。隣で見てるお兄ちゃんが、EBIくんの変なカウントを聴いて、お母さんの方を見て笑ってる。一方、抱っこされてる弟くんは、寝てる。EBIくんの声って、子供には催眠効果があるんかい(笑)。その証拠に次の曲で阿部くんが歌い出すと、弟くん、見事に目が覚めたのだった。あは。

「呼んでいただいてありがとうございます。ユニコーンです。こういうところはあまり慣れていないんで、こんなにたくさんいられるとどうしたらいいんでしょう。今日は絶対に豪雨だと思ってましたけど、奇跡のような・・・本当によかった、オールスター!! こんなダラダラしてると、今にも降り出しそうなので、やることやって爽やかに帰ろう。いかに俺たちがトリにふさわしいかビミョーか、ご覧ください」とOT。

アコギが雄大に鳴る、くるりの岸田くんも大好きな曲だ。さすがに作者のてっしーらしく、ラストのアルペジオがとってもきれい。


ここからが盛り上がりタイム。トリにふさわしいかビミョーかの分かれ道だ。合図はカウベル。さすがユニコーンって感じで、公園の斜面を埋めたオーディエンスがヴィヴィッドに反応する。弟くんをダンナが抱っこして、隣のお母さんはノリノリ。ナイス・アシスト!!


ラストは例の感動ナンバー。やっぱどんなところで聴いても、この曲はいいわい。

アンコールで最初に出てきたのは、てっしー。「メンバーを呼びまぁす」と、かわにっさん、EBIくん、阿部くん、OTを呼び込む。

「みなさん、本日はいかがだったでしょうか。瀬戸とセットストックは掛かってますが、ちょっと遠い(笑)。カープとかサンフレッチェとか、いろいろ顔を出しましょうね。雨が降らなくてよかったよ、わりと僕は晴れ男なんで。今日、弾き語りやったんですけど、最後の曲で蚊に3発食われました」とOT。

 最後の最後は、ユニコーンのアンサンブルの良さの極致。阿部くんとOTのギター・リフの絡みが切ない。会場全員が一緒に歌ってる。エンディングで5人は、かわにっさんの周りに集まって呼吸を測る。じゃじゃーん、パシーンと見事にフィニッシュが決まった。OTが「ありがとう、広島」とひと声。雨は一滴も降らなかった。

と、OTがステージ上で三浦さんを紹介する。「60才に昨日なったんで、真っ赤です(笑)」。5人は客席と反対に向いて集まる。オーディエンスをバックにしたショットを三浦さんに撮ってもらうためだ。「みんな、撮るぞ!」、三浦さんの大声はマイク無しでも会場中に聞こえる。これもすごい写真になりそう。それを合図に花火が上がる。またひとつ、大きな思い出が生まれたライヴだった。

広島への帰り道は、ワイパーをフルに動かしても前が見えないほどの豪雨。本当に奇跡的な一日だったんだなと実感。

小降りの広島で、三浦さんの還暦祝パーティーは深夜にスタート。みんなで乾杯したり、お好み焼きをパクパク食べたり。メンバー&スタッフ全員の心からの祝福に、三浦さんもニッコニコ。それでも写真を撮りまくってるのが三浦さんらしい。
さすがにシメのラーメンはみんなで止めて、三浦さんをホテルに送って、長くて楽しい一日が終わったのだった。
(ライヴ直後に地元メディアのヒーロー・インタビューを受けるユニコーン)
by emm_unicorn | 2009-07-28 02:15 | ユニコーンの今から昔から